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Woker´s Live!!:現役・元風俗嬢がえがく日常、仕事、からだ

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「面接、おねがいします」 Photo

「ねえ、こういう店って面接あるの?」
一回戦を終え、ベッドに寝ころんだお客が訊いてくる。
「そりゃありますよ」
煙草と灰皿をベッドサイドに運びながら答えた。

「どんなこと聞かれるの?やっぱり男性経験とか淫乱度とか?」
「まさかあ。風俗経験とかそんなのですよぅ。週何回出られるかとか」
「なーんだ残念。エッチな面接とかあるんじゃないかと思ってたよ」
「やーねえ、AVの見すぎよ」

煙草を吸い終ったお客がウトウトし始めた。このまましばらく寝ててくれたらいいんだけど。太腿に置かれたお客の手をそっと外しながら上体を起こして煙草を吸いつつ、面接ジプシーをしていた1か月を思い出す。

前の店も悪くなかった。でも、何だか飽きてしまったし新任の店長のことも苦手だった。向こうの方も、私たち在籍の長い嬢を扱いかねているようだった。とりあえず他の店と掛け持ちすることに決めて店を探し始めた。

高級店で働ける容姿でもなければ格安店で頑張る根性もない自分としては、今くらいの価格帯の店で働きたい。だとするとエリアを大きく変えるか業種を変えるかしないと。でもソープで働く体力はないし店舗型で働くのも辛いかも。合格したら今の店を辞める覚悟で、近隣エリアのライバル店の面接に行く?思いきって高級店を受けてみる?

まずはネットで情報収集。いわゆる転職サイトの風俗版みたいなものです。
業種別、エリア別、女性の年齢別で検索してみる。よさそうな店を幾つかピックアップしたら、次はその店名で検索をかける。

求人サイトとお店のウェブサイトと見比べて、あまりに雰囲気が違うなら避けた方がいい。例えば「誰にでもできる簡単なお仕事です」「あなたの優しさ求めていまーす」といって女性を募集しているのに、お店のサイトでは「人妻の淫乱ボディを思いのままに!」なんて書いてあったらヤバい。口コミサイトは玉石混合だけれど、一応目を通す。

何件か候補を決めたら、面接お願いの電話をかける。最近はメールやLINEで応募することもできますが、個人的には電話が好き。その電話対応の雰囲気で店の良し悪しが見えることがあるので。電話応対が雑な店は入店してから苦労することが多いのですよ……。
電話の時点で訊かれるのは、名前、年齢、風俗経験の有無、ときどき身長や体重、たまにブラのカップサイズ?。スキルのいる職種――主にソープやSMクラブだと、風俗経験だけではなく「その業種で働いたことはあるか」も。あとは面接日時を決めて、いざ当日まで多少の仕込みに入ります。仕込みといっても軽いダイエットとか、ちょっと念入りなスキンケアとか。

面接当日。指定の場所から電話をして面接の場に向かいます。ソープだと送迎車が来ることもあるけれど、大抵は徒歩で。お店の方が迎えに来てくれることもあるみたいです。
面接場所は店の待合室だったり事務所だったりカフェだったり喫茶店だったり。

履歴書兼職務経歴書のような紙に記入するところからスタートするのはどの店も大抵同じ。氏名、生年月日、住所、電話番号、家族構成、風俗歴、出勤希望の曜日と時間帯、身長や3サイズ、そんなところでしょうか。その紙をもとに色々訊かれながら面接は進みます。

「自宅から店まで何分くらいかかりますか?」
「前の店を辞めた理由は?」
「週に何回くらい出られる?週末は?」

風俗らしい質問があるとしたら、
「ご主人とか彼氏とか、一緒に住んでる人はいる?」
「昼間の仕事はやってる?」
それくらい。いきなり性感帯を訊いたりしない。
「何か質問はありますか?」で面接が終わり、私はひっそりと息をつめる。
「では合格ということで、今度はこちらの紙にも記入をお願いしますね」

ああよかった。でもここで油断が出来ないこともある。ここまでは店が私をジャッジした。これからはこっちがジャッジする番だ。断る場合の言い訳を考えておかないと。

身長、3サイズ、オプションのOKとNGや、性感帯――大人の皆さんはご理解いただいてると思いますが、風俗嬢の公称性感帯は「それっぽい場所でありつつ、エンエンと触られても我慢ができる場所」なのであまり本気になさらないでくださいね。まして「じゃあ本当の性感帯を教えて」とか、いけませんよ――得意なプレイなど、お店で使うプロフィールに使うデータを書き込んでいく。

「あとは源氏名を決めないとね。なにか使いたい名前ある?」
「ユミカでいいですか?」
「ユミカはねえ、先月までユミコがいたから紛らわしいんだよねえ」
「ショーコはどうでしょう」
「ショーコね、いいんじゃない。じゃショーコさんね」
「よろしくお願いします」

あとは何を訊かれて何を教わっただろう。
店の連絡先の電話とメールアドレス、1プレイあたりのバック金額、注意事項や禁止事項といったところか。この注意事項や禁止事項がクセモノだ。ほとんどの店ではそんなに変な決まりはない。出勤確認とか性病検査票提出のルールとか、店外デート禁止とか本番禁止とか。ところが。ときどきあるのですよ。恐ろしい店が。

「面接に合格して入店が決定した後での入店拒否禁止。拒否した場合は罰金5万円」
「当日欠勤は罰金1万円」
「指名ノルマクリアできなかった場合罰金2万円」

そういうお店だったら入店せずに逃げるに限る。労働基準監督署に告げ口してどうにかなる話じゃない。どんな言い訳でもいい。

「私、リピーターが取れないフリー泥棒なんで!」
「やっぱりナマはムリです!」
「やっぱり風俗ムリです!」

よほど悪質な店でない限り「辞めたい」といえば辞めさせてくれるのと同様、面接後の「やっぱり入店はムリです」「2、3日考えさせてください」というのも聞いてくれる。一般の就職と同じく、応募者にも店を選ぶ権利があるわけだから。ところが悪質な店は、未経験や経験浅の女性の無知につけこんで、入店拒否しにくい雰囲気を演出したりセクハラ面接やセクハラ研修をしたりする。風俗で働く、ということを知らない人が想像する「ヤバい世界なんじゃないか」「エッチな世界なんだろうな」という恐れやイメージを上手く利用している。

そのイメージはどこからくるのか、といえば。風俗を扱ったフィクション(AV含む)なのでしょうね。実際の面接も研修もスキルチェックも、どちらかといえばビジネスライクで、色っぽさはあまりない。「性感帯ね、一度書くと皆が触りたがって痛くなりやすいから、触られ続けても大丈夫なところにした方がいいよ。背中とか」そう教える男性スタッフが実在する一方で、セクハラ講習(所謂「趣味講習」)をするクソ店長も実在する。

その辺の情報交換を、嬢同士で気楽にできると役に立つしストレス解消にもなるんですけどね。在籍当時に辛かったことや面接時のイヤな記憶も、一緒に怒って笑い飛ばせたら。

「そうなのそうなの!あの店長、爬虫類顔だよね」
「その店入らなくて正解でしたよ!」
「あそこはヤバいよ!客層イイけどスタッフがヒドい。稼げるけどキツいよ」
「稼げるのに長続きする嬢がいないのは趣味講習がヒドいから」
「そんなに!?」

風俗嬢同士が店や業種の垣根を越えて仲良くなれる機会は多くはないし、同僚嬢同士が親しくなること――「嬢に知恵がつく」のをイヤがる――に良い顔をしない店も多々あるわけで、実現することはなかなかないのですけれど。でも、ごくたまにでも、SW経験者オンリーでお喋りするのはすごく楽しい。年齢も経験も業種も超えてのSW経験者という一点で繋がってる解放感!

まあ、風俗といっても色々あるものね。お客が払う金額も、サービス内容も、店の居心地の良さだって……。そう思いながら、もう1本煙草を吸う。
枕元に置いたタイマーで残り時間を確認してから、お客をそっと揺り起こす。

「そろそろ起きて…ね、もう1度エッチしよ?それともコーヒーいれましょうか?」
「ショーコちゃんはエッチだなあ。2回戦はムリだからコーヒーくれる?」
「エッチすぎる?…お湯沸かすからちょっと待っててね」

コーヒーを飲み終わる頃、店から電話が来るだろう。それからシャワーを浴びれば時間ピッタリにホテルを出られる。この店のお客とは相性がいい。ガツガツしていないけど、気取り過ぎてもいない。私にちょうどいい。お客と嬢の両方が「この店を選んでよかった」と思える店に巡り会えますように。

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職種
売り専です…お客さんも売る側のスタッフも男性の風俗です
自己紹介
大女優とも呼ばれています。気づいたらもうすぐ40歳。なんとか現役にしがみついています。
好きなものは、コーラ!!
皆さまの中には聞いたことがない仕事かもしれません。いろいろ聞いてくださると嬉しいです!!
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デリヘル嬢。
ここでは経験を元にしたフィクションを書いています。
すきな遊びは接客中にお客さんの目を盗んで白目になること。
苦手な仕事は自動回転ドアのホテル(なんか緊張するから)。
goodnight, sweetie http://goodnightsweetie.net/
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元風俗嬢 シングルマザー
風俗の仕事はだいたい10年ぐらいやりました。今は会社員です。
セックスワーカーとセクシュアルマイノリティー女性が
ちらっとでも登場する映画は観るようにしています。
オススメ映画があったらぜひ教えてください。
あたしはレズビアンだと思われてもいいのよ http://d.hatena.ne.jp/maki-ryu/
セックスワーカー自助グループ「SWEETLY」twitter https://twitter.com/SweetlyCafe
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庄司優美花
非本番系風俗中心に、都内で兼業風俗嬢を続けてます。仕事用のお上品な服装とヘアメイクに身を包みながら、こっそりとヘビメタやパンクを聴いてます。気性は荒いです。箱時代、お客とケンカして泣かせたことがあります。