「働く現場」 にいると、「病気は予防したいけど、どうするの?」 疑問や悩みが出てくるもの。
ベテランお姉さんのラビがお答えするよ!
★生理が重くなるのは病気が原因?
生理が年々ひどくなっているように感じます。最近ではつらくて寝こむこともあります。性病や病気の可能性はありますか?
生理がくるたびに、痛みが強くなったり、出血量が増加しているのなら、子宮筋腫や子宮腺筋症などなんらかの子宮の病気が進行している可能性があります。
これらの病気は、知らないうちに進行して、長い間ほおっておくと、手術が必要なケースにつながることもあります。
生理が重い体質だと我慢せず、婦人科で子宮の状態を診察してもらいましょう。
軽い時であれば、ピルなどの服用で進行を止めたり、改善することができます。
性病で生理に直接影響するものはありませんが、クラミジアや淋病など、性器に炎症を起こす病気にかかると、不正出血が起こることがあります。また、HPVというウィルスが原因でかかる子宮頸がんは、不正出血や下腹部痛などの症状が起こることがあります。
気になる症状が出たら、婦人科での診察をおすすめします。
★ピルの長期服用は安全なの?
ピルを長期間飲んでも大丈夫ですか? 将来子供を持ちたいのですが、妊娠しやすさなどに影響はありませんか?
ピルは、長期間服用することも十分考えられた薬で、その効果や影響も、長い間研究されてきました。
結論から言えば、ピルの長期服用で妊娠に影響することはほとんどありません。
長期間服用していた人でも、服用中止後数ヶ月後、おそくとも6ヶ月以内には、月経が再開し、妊娠可能な状態となります。
ピルの服用は、子宮内膜症や子宮筋腫の予防にも効果があり、こういった病気が原因の不妊を予防する作用も期待できます。
また、PMS(月経前症候群)や月経過多が緩和される効果があります。
ただし、ピルを飲み始める前から月経不順であったり、なんらかの理由で排卵が起こりにくくなっていた場合は、この限りではありません。
どんな不妊の原因があるのか検査しましょう。
長期服用が可能だからといって、その間、ほおっておいてはいけません。
今主に服用されている低容量ピルは、血栓症などの副効果の可能性も低いといわれていますが、それでも絶対ではありません。
ピルは医師や薬剤師の指導の元に正しく服用するのはもちろんのこと、1年に一度は婦人科で血液検査を受け、使用が継続できる体の状態かを確認しましょう。
★カンジダにかかっている時に接客すると…?
カンジダにかかっていたのに気がつかず、接客してしまいました。お客様にカンジダはうつりますか?
お仕事をしていると、カンジダにかかることはとても多いですよね…。
カンジダは、もともと腟内にいる菌。腟内の常在菌のバランスが崩れたり、抗生剤の服用等がきっかけでカンジダ菌が増え、かゆみや炎症が起こり、おりものがカッテージチーズ状になったりします。
カンジダ菌がある程度増えている状態で性行為をすれば、相手にうつる可能性はありますが、相手の性器でカンジダ菌がふえるかどうかは体調などに左右されます。
また、カンジダ菌がある程度増えても、男性の場合は、女性のようにおりものなどの変化がないため、気がつかないこともあります。
ただ、女性にカンジダが発症している時は、腟の粘膜に炎症が起きていて、他の病気にもかかりやすい状態といえます。
自分のからだを守るためにも、カンジダにかかっている時はなるべくお仕事はお休みして、早めに医師にかかって治療しましょう。
★妊娠したら必ず受けたい!STD検査
自分がSTDにかかっていると、妊娠した時に、赤ちゃんに病気がうつることがありますか?
いくつかのSTDは、赤ちゃんに感染することがあります。
経胎盤感染(胎盤をとおしてお腹の中にいる時に感染)しやすい病気(HIV、梅毒、クラミジアなど)、経産道感染(出産の時に感染)しやすい病気(ヘルペスなど)があります。
産婦人科では、妊娠を望む人や、妊娠が判明した人には、性感染症の検査がすすめられ、かかっていれば、速やかに治療がおこなわれます。
もし何らかの手違いで、自分のかかっている産婦人科で検査を受けていないなら、すぐに検査を受けましょう。
また、HIVにかかり治療しつつ妊娠出産を望む場合は、治療中の病院で様々な感染予防の方法(予防治療薬の服薬・帝王切開による出産)がとられ、赤ちゃんへの感染はかなりの確率で抑えられるようになっています。
ただし、一度検査をしてからも性行為があれば、再度うつる可能性はないとは限りません。
そうなると、病気にかかっていても治療は行われず、母子感染のリスクは高まります。
妊娠したら、よけいに避妊の目的以外でのコンドーム使用を重要視したいわ!
症状はないけれど、誰にも知られず病気を検査したい時は STDチェッカーPro
★ピルの飲み始め、どんなことに気をつけたらいい?
ピルを飲み始めたいと思います。どんなことに気をつけたらいいですか?
ピルの服用は、様々なメリットがあります。
避妊を自分でコントロールできる、生理期間を把握できる、生理痛や出血量を軽減できるなど。
でも、不快な副作用や、不正出血などの問題が起こることもあります。
また、自分にあうかどうか、定期的に受ける血液検査、ほかの治療や薬との組み合わせなど、専門家にアドバイスを受けたい事項もいくつかあります。
ピルの種類は何種類かあって、人によって副作用は様々。はじめに飲んだピルは合わないけれど、他のピルは体に合って、不調が改善されることもあります。数ヶ月で不快な副作用が消えることもあれば、ずっと続くこともあります。この判断は、たくさんの症例を見てきた専門家のアドバイスが重要になることもあります。
血栓症や他の不調のリスクを未然に防ぐため、1〜2年ごとの定期的な検査も必須です。
ピルは、婦人科や産婦人科で処方してもらえます。
でも、単に近所の、ではなくて、できれば、家から通いやすく、相談しやすい医師がいる婦人科、産婦人科を見つけたいよね。お医者さんて、少しでも不安や不信感があると、足が遠のいてしまうもの。時間はかかるかもしれないけれど、一度よい医師と出会えたら、長く安心して通えるメリットもあります。不安なことやわからないことがあったら、がんばって質問して、納得のお医者さんを探していこう!
★生理がこない…。妊娠?病気?
生理が予定通りにこなかったり、きても量が少ないことが続いています。何か病気の可能性はありますか?
今まで生理が順調だったのに、急にこなくなったり、出血量が少ない場合は、妊娠の可能性が考えられます。
妊娠検査薬で調べるか、お医者さんで妊娠かどうかを判定してもらいましょう。
また、妊娠以外での生理不順の原因として、生理のサイクルをつかさどるホルモンがうまく調節できていないことも考えられます。
ホルモンの分泌はデリケートで、ストレスやダイエット、不規則な生活や環境の変化でも、変調が出てきてしまうことがあります。
ホルモンを出す命令をする甲状腺や卵巣の病気のサインや、向精神薬や他のお薬の副作用の可能性も。
多少のズレや一時的なものであれば、それほど心配することはありませんが、数ヶ月以上生理の不調が続くようであれば、病院にいって検査を受けましょう。
生理周期の変調を感じたら、可能ならば、基礎体温を記録してみましょう。病院での不調の原因の診断に役立つよ★
★風疹も性病も皆で予防!が大事!
風疹にかかったらどうしたらいいの?
風疹の集団予防接種を受け、すでに抗体を持った人もいますが、その制度が整う前の年代の人や、なんらかの事情で摂取できなかった人は、風疹にかかる可能性が出てきます。まれに、一度かかって、二度目の風疹にかかることもあります。
風疹にかかると、赤い発疹、発熱、リンパの腫れなどの症状が出ます。内科を受診して診断を受けましょう。
気をつけたいのは、妊娠している場合。妊娠初期に風疹にかかると、赤ちゃんに障害が出る可能性が出てきます。妊娠の可能性があって、風疹にかかったようであれば、すぐに内科に行き、アドバイスを受けましょう。
また、妊娠している人が身近にいる場合は、極力うつらないように、接触をさけましょう。妊婦さんが集まる婦人科などへの診察も避けたほうがよいでしょう。
予防接種を受けた記憶がなくて、風疹にかかったことがないのなら、この機会に接種を受けることをおすすめします。
これ以後、妊娠する可能性がある人は、予防接種を受けて、風疹予防対策をしておこう!
★できるだけ早めに知りたい…!
生理が数日遅れています。薬局で買った妊娠検査薬は陰性でしたが、もしかしたら、という心配なことがあったので、妊娠したか不安です。妊娠かどうかはいつごろわかりますか?
妊娠したかどうかの心配ってつきない…。
市販されている妊娠検査薬で妊娠を測定できるのは、排卵日から数えて21日め以降、生理予定日より一週間後、といわれています。
気は焦りますが、一週間待ってもう一度検査薬を試すか、どうしても心配なら、婦人科のお医者さんに診察にいきましょう。ただし、時期が早い場合は、お医者さんにいっても、判定できないこともあります。
もし、妊娠が発覚した場合!
産む、産まない、どちらの選択をするにしても、お医者さんに診察にいきましょう。そして、どちらの選択にしても、どんな注意が必要か、どのくらいの費用がかかるかなど、しっかり相談しましょう。
ちなみに、基礎体温をつけておくと、妊娠したかどうかをいち早く知ることができます。体温を記憶してくれるタイプのデジタル婦人体温計はいちいち付ける体温を書き込む必要がなくて使いやすいよ。
体温を記録するのと同じくらいオススメなのは、生理日、お仕事した日、プライベートのセックス、心配なことがあった日、体調などをスケジュールなどにメモすること★
何かからだの変化が起こった時に助けになるよ!
★ピルによって相性がある…!?
ピルを飲み始めましたが、吐き気やむくみがひどくて、飲み続けるか迷っています。飲み続けたら不快な副作用はおさまりますか?
ピルは妊娠を防げるほか、生理日を調整できたり、生理痛を軽減するなどの効果があります。
が、いざ飲み始めたら、副作用がひどくて、ピルの恩恵を受ける前にかえって体調が悪くなった…なんてことも。
毎月の生理周期は、自前のホルモンの分泌で起こっています。ピルには微量のホルモンが含まれ、その効能で生理周期をコントロールします。ホルモンはほんの少しの増減でも、からだに大きな変化を起こすもの。ピルで起こった副作用は、軽いものなら収まりますが、ピルで加えられるホルモンと自分のホルモン環境があわないと、不快な症状が続く場合もあります。たいてい2シートほどで体が慣れていく、といわれていますが、2〜3ヶ月たっても不快な症状が収まらないようなら、ピルの種類を変えてみて。 この時、商品名が違っても、配合が同じピルもあるので、お医者さんに相談して、合わなかったピルとは違う種類のものを試そう。
ホルモン環境は、常に変動します。数年たって、昔合わなかったピルが合うようになった、ということもあるわよ。 気長に、自分があうピルを試していこう!
★ピルとのつきあい、どうする?
風俗で働いていたらピルを飲んだほうがいいの?
ピルは、婦人科のお医者さんで処方してもらえます。働く上でピルは様々なメリットがありますが、副作用がでることもあります。その両方をしっかり検討して、ピルといいつきあい方をしよう。もちろん飲まない選択もあり!
【メリット】
・妊娠の心配が減る。
・生理が軽くなることが多い。
・生理の日数がコントロールしやすいので、出勤の予定が立てやすくなる。
・自分にあったピルは、ホルモンバランスが整い、肌の調子がよくなったり、PMS(月経前症候群、月経開始前の時期に、下腹部に痛みを感じたり胸が張ったり…など、人によって様々な症状です)が軽くなる作用も。
【気を付けたいこと】
・カラダにあわない場合、めまいや吐き気、むくみ、イライラなど、副作用がおこることがある。
・飲み忘れなどがあると、妊娠の可能性が出てくる。
・飲み続けても大丈夫かどうか、年に一度は検診を受ける。
「妊娠しないんだったらナマで」と希望する人が出てくるので、お客さんにピルを飲んでいるのは言わないのが無難です。STD(性病)予防の効果はないので、挿入時にはコンドームの使用を★
現在発売されているピルは、配合成分がそれぞれ違い、自分のからだにあう、あわないがあります。こればかりは飲んでみて、しばらく様子を見ないとわかりません。もし、あわない場合は、お医者さんに相談したり、ネットで調べて、自分にあうピルを模索してみよう。