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お悩みQ&A

「働く現場」 にいると、「病気は予防したいけど、どうするの?」 疑問や悩みが出てくるもの。
ベテランお姉さんのラビがお答えするよ!

Question

★風俗業界の病気のリスクを減らすには?
風俗で働いていたら、病気になるのはしかたながない、自業自得、という意見をよくききます。そんな風に思い続けるのはつらいです。本当にそうなのでしょうか?

Answer

現状ほとんどの風俗のお店で、病気にかかる接客を避けては通れません。
病気のリスクを減らすには、かかっているかどうかの検査を月に一度程度受けることと、かかったら即治療することが必須になります。

自分で自分の健康を守ることは大切ですが、お客様も自分も、病気にかかることは避けたいはずなのに、働く側だけが検査をし続けていくことでしか病気の可能性を減らせない状況は、納得しがたいものがあります。

それは、性風俗を利用する人の性病への関心の低さの結果かもしれません。
経営する人は、ある程度の知識を持っている人もいるでしょうが、お客側の関心の低さを考えたら、フェラチオにコンドームを使うなど、性病対策をちゃんとしたプレイだけを提供するのは現実的ではありません。

私たち風俗で働く側も、働く前は、性病のことをほとんど知らなかった人ではないでしょうか?

風俗産業の病気のリスクは、世間一般の性病への関心の低さが少なからず関係しています。

「風俗で働いたら病気はかかるもの」は、とても無責任な考えとしかいいようがありません。
現場に近い人がいう時は、現状をすぐに変えていくことがむつかしいことから、あきらめの気持ちでいう、ということもあるかもしれません。しかし、自分には性病のリスクがあまりない(と考えたい)人が、風俗で病気にかかるということを別次元のこととして、少し線を引いて、「あきらめさせる」ためにいう言葉としても取れます。
現状を変えるのはとてもむつかしいことです。それはいうまでもありません。でも、こんな状況で、皆がいっせいにそんな意見を言い出したら、永遠にこの高リスクの状況は変わることがありません。

風俗業界での病気のリスク、それは改善の糸口が見えにくいことですが、少しでも現状を変えようとする動きは出てきていると思います。例えば、インターネットで性病についての情報を見ることができるようになって、そうなる前よりは、働く側の性病に対する知識や予防への意識は上がっています。このことは、病気にかかるリスクを確実に下げていると予想されます。(しかし、そのことにより、どうすれば予防できるかわかっているのに、リスクのあるプレイをし続けなければいけない、という精神的な負荷が増している現状もあります。)経営する側も、「よりよいサービスを提供する」ために、働く側(セックスワーカー)に対して定期的な検査を推奨したり、お客様にも情報を提供するお店が出てきました。まだまだ課題はありますが、「接客業として、お客様、労働者ともに、病気にかかるリスクがあるサービスを提供し続けるのは駄目だろう」といった世間一般の考えと連動して、業界内での状況が変化する動きが促進されていくことが望まれます。

もちろん、働く側や経営する側の関心をあげていくことも大切ですが、お客様の意識がかわらなければ、この状況はなかなかくつがえらないでしょう。

例えば、風俗にくるお客様が、ガールズヘルスラボやSTD研究所のサイトの情報をみていれば、自分のしていることにどんなリスクがあるか理解し、病気にかかりたくないと自覚できる人はそれまでとはプレイの仕方が変わるのではないでしょうか?

風俗業界の病気のリスクを下げることは、風俗業界だけが努力してどうにかできることではありません。風俗を利用する人、風俗で働く人の意識を変えることは、つまり、社会一般の性的な健康への関心を高めることです。

風俗で働くことのリスクは、現状では自分で気をかけなければいけませんが、それは「自業自得」ではなく、リスクを減らすための適切な対応が欠けていることが原因です。

風俗産業での病気のリスクは十分に知られてて、そのことを問題視する声も上がっていますが、それに対しての具体的な対策はあまりすすんでいません。もう少し、根本的な解決に向けてのアプローチがたくさん出てきてほしいものです。


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