「働く現場」 にいると、「病気は予防したいけど、どうするの?」 疑問や悩みが出てくるもの。
ベテランお姉さんのラビがお答えするよ!
★12月1日は世界エイズデー!
HIV/エイズって、最近あまり聞かなくなったけど、どうなっているの?
今年も12月1日の世界エイズデーが近づいてきたよ! 他の日本を揺るがすニュースがいっぱいで、HIV/エイズのニュースは薄れがちだけど、実は、2010年度、新たにわかったHIV感染者さんやエイズ患者さんの数は過去最高に近い多さ。2011年度の上半期のデータでも、その前年を上回るんじゃないか、という勢いでさらに増えています。
ここ最近の特徴は、体調が悪くなって病院に行ったら、エイズ発症が発見されるという、いわゆる「いきなりエイズ」のケースが多くなってるってこと。エイズ治療の進歩はめざましくて、もう死に至る病気じゃなくなった、と言われてる。でも、それはエイズにかかってからの状況がよくなっただけで、感染する人が増えてるのは変わらないんだよね。つまり、皆のエイズの知識が高まって、予防ができるようになったワケじゃないの。感染しないためには、エイズが騒がれていた昔と今も変わらず、ひとりひとりの意識や、それぞれの性行為がよりセーファーであることが大事だよ★
HIV/エイズは本来、それほど感染力が強くない病気。だから、お仕事、プライベート問わず、挿入するときにはしっかりコンドームを使って、ちゃんと予防すれば、感染のリスクはかなり下げられるよ! また、他の病気にかかって炎症がおきていると、HIVの感染の確率が高くなるといわれています。お仕事してたら、クラミジア、淋病、梅毒などのSTD検査は1ヶ月に1度、HIV検査は3ヶ月に一度を目安に、定期的に検査を受けよう!
12月1日の前後には、各地でエイズまん延防止と差別・偏見の解消を目指す催し物や検査キャンペーンが行われます。気になるイベントがあったら、ぜひ足を運んでみてね!
もっと詳しく!HIVエイズの予防、治療、検査をばっちり解説!
ガールズヘルスラボのSTDデータベース「HIV/エイズ」へ!
★★意外とあなどれない!スマタの落とし穴
スマタで病気はうつりますか?
ヘルスが圧倒的に多い中で、より本番に近い形で終わっていただくために発展してきた風俗ならではの技、スマタ。基本は、フトモモや、外性器、おしりの割れ目、おちんちんを密着させて、ローションをつけて刺激していくよ★
スマタは、皮膚とおちんちんの接触が主になるので、比較的セーファーなプレイ。でも、完全に安全とは言いがたい…。スマタで気を付けたいことをまとめたよ★
●よりセーファーにスマタをするために!
【ローションはたっぷり使う!】
ローションをたくさん使うことで、粘膜とおちんちん、精液や先ばしり液が直接触れ合うのを少しは避けることができます。これは絶対確実な予防方法ではないけれど、少なくとも、ガシガシ触れ合うよりは、だいぶんリスクを下げられるハズ…!
【うっかり入ってしまわないように!】
ローションはたっぷり使いたい! でも、ローションですべりがよくなると、間違って膣に挿入されてしまうこともあります。そんな事故を防ぐためには、
・おちんちんに手を添えて入らないように阻止!
・できるなら、お客さんが上になる正常位や相手が視覚に入ってしまう後背位より、騎乗位など、よりコントロールしやすい体位にもっていく。
中には意図的に挿入を狙ってくる人もいるので、そんな危ないお客さんにあたった時は特に注意!
【膣の粘膜とおちんちんが触れ合うスマタでうつる病気は何か知っておく】
膣の外側と、おちんちんが触れるスマタの場合、感染力の強い病気や、皮膚の接触でうつる病気がうつることがあります。また、精液や先ばしり液にはウィルスや菌の病原体が含まれていることがあります。スマタで膣の粘膜に精液、先ばしり液がつくと、病気に感染する可能性があります。
・感染力が強い病気は…B型肝炎、梅毒
・発症する確率は低いが、このウィルスは感染しやすい…尖圭コンジローマ
・精液や先ばしり液が膣にふれた場合、可能性がでてくる病気…クラミジア、淋病、トリコモナス
★コンドームをすすめるには…?
コンドームはつけたくない、というお客さんに対して、他の人はどうしてますか? 雰囲気を壊さずに、なんとか言える方法ないでしょうか?
どうして本番の時にコンドームつけないっていうのか、接客しているこちらとしては、ほんとに謎。でも、それを言ってくるお客さんは後をたたない…。これは、働いていたらぶち当たる永遠の壁よ(怒)。こちらとしても、お仕事したいから、なるべくコトは荒立てたくないけど、この交渉はほんと難しいよ。
お客さんの言い分は様々。やれ「つけるとイカない」だの、「ゴムアレルギーだ」だの、「〇〇ちゃんはやってくれた」だの…。でも、それ、ナマでやってもいい理由になりませんから!
でも、そんなお客さんにこれといった万能の対策はないんだよね。自分のキャラにあった断り方を編み出していくしかない! というわけで、基本的なやり過ごし方を紹介するね!
【生は自分はNGなんです、とごくまっとうに受け流す】
多くの人は、「ナマでやりたい」というだけなので、やんわりと断る。これで引き下がらなかったら、困った客認定だよね。
【お店で怒られる、と言う】
お店で止められてるの、と、私一人の決まりじゃないんですよー、ということにする。
【無視してなんとかする】
交渉の余地がないお客さんとあーだこーだヤリトリするってのも、時間がなくなるし、雰囲気も悪くなるし。真正面から取り合わないで、コンドームを付けて強行突破! ローションで気持よくさせて、コンドームをつけてるってことをうやむやにし、もうこちらも自分のプレイをガシガシ進めよう!
【プレイを中断する/お店に助けを呼ぶ】
何度言ってもきかず、強要されそうになったら、プレイを中断するしかない! 言っても聞かないお客さんは、お客さんの枠からもう外れます。この決断は勇気がいるけど、やっぱり自分の身が一番大事! これは無理だ、と思ったら、スタッフを呼ぼう。
それに、これは、ずっと思ってるんだけど、お客さんが気軽にぽんぽん「ナマでしたい」ということ、そして、そんな人がいっぱいいるってことが、めちゃくちゃ傷つくことなんだよね。だって、こっちの健康とか、まったく何も考えてないってわかるじゃん? そんな人にも、しっかり丁寧な接客をするってことは、やっぱり精神的にツライよ…。風俗のお客になるってことは、好き勝手してもいいってことじゃないってことを、ちゃんと心得て来て欲しいよね★
★症状が出てないのになんで?の理由
自分はあまり病気もせず、健康です。なんともないのに、なぜ性病検査をうけなきゃいけないの?
うん、その疑問、わかる。。いくら、お仕事してたら病気になるリスクは高くなると知ってても…定期的に検査したほうがいいってわかってても…症状がないのに検査するの、やっぱりハードル高いーーっ! でも、検査した方がいいってことはわかってるんだよね…。てことで、私も気持ちを新たにするために、検査を受けた方がいい理由、おさらいしとくね★
理由その1 「知らないうちに病気にかかっていることがあるから」
クラミジア、淋病、梅毒、HIV/エイズなど、これらは、症状に気がつきにくい病気です。一般的に、性病になると、おりものに変化があるとか、デキモノができるなど、明らかな症状が出るイメージがあるかもしれません。でも、実際働いていてよくかかる病気の代表、クラミジアなどは、8割の女性が症状がほとんど出ない、といわれています。だから、性器になんの異常がないと思っても、定期的に検査を受けることが大切!
理由その2 「病気にかかっていると、他の病気にかかりやすいことがあるから」
クラミジアや淋病などは、菌やウィルスによって性器に炎症が起こる病気。これらの病気にかかっていると、その炎症が起こっているところから、他の病原体も入りやすくなります。なので、「病気予防」という意味でも、検査を定期的にうけて、病気を早めに発見することが重要になってきます。
理由その3 「早めに気がついて早くなおせばお仕事復帰も早い!」
知らないうちに病気になって、炎症が広がるなど、病気が重くなっていると、治療期間が長引くことも。その分、働けなくなるし、お金もかかるよね(汗)。
理由その4 「病気にかかってない、とわかると安心できる」
検査受けるまでは、「めんどくさ〜い!」「お金がかかる〜!」となかなか腰が重いけど、検査結果が出て、病気にかかってないことがわかれば、ほっと一息つけるよ!
もし、病気になってても、検査で早めに気がつけたってことで、速やかに治療しちゃおう★
★治療は最後までしっかり!お薬を飲んだ後は再検査!
淋病の「耐性菌」が出たとききました。それって何?どんなことに気をつけたらいいの?
淋病は、淋菌によって炎症が起こる病気で、膣だけではなく、ノドにもかかります。詳しくは、STDデータベースの淋菌感染症のページへ!
淋病の治療は、抗生剤によって治療しますが、今主に使われている薬では殺せない菌が発見されたことがニュース※1になりました。気をつけていても、いつ病気になるかわからないこのお仕事、このニュースはドキッとする〜。幸い、この耐性菌の淋病の患者さんは一人だけで、他の抗生剤で無事治療できたそうです。でも、またいつ発見されるやらわからない状態…。
それまで使っていた薬剤が効かなくなる淋菌(耐性淋菌といいます)は、今までに何度も発生して、その度に、治療に使うお薬がかわってきた歴史があります。この耐性淋菌、淋病の治療中、菌が全滅する前に薬を中途半端に止めてしまうと、発生するという説が…。きゃー★ドキーっ★ 淋病をはじめ、クラミジア、梅毒など、病気を治療する時は、お医者さんからもらった薬を指導通りに飲んで、その後は再検査して完治したことを確かめよう! 淋病やクラミジアは、症状にあまり気がつかないとされている病気。ほおっておくと、炎症がひろがったり、不妊の原因になることも。症状がおさまったからといって、治ったとは限らない!! 治療は最後まで!あとお仕事してたら定期的な検査もね★
※1
治りにくい淋病が増えている 「抗生剤効かぬ」で不安拡大 : J-CASTニュース http://www.j-cast.com/2011/07/18101433.html
★パートナー対策!
クラミジアにかかってしまいました。彼氏にうつしたかもしれないのですが、風俗で働いていることは内緒なので言えません。どうしたら?
あるある(笑)!
気をつけていても、クラミジアにかぎらず、いろんなSTD(性感染症)ににかかることがあります。そんな時に、恋人や夫、セックスのパートナーにいうのはやっぱりタイヘン…。相手が風俗で働いていることを知らなければ、なおさらです。
あなたが病気の治療をして完治しても、相手にうつっていてそのまま知らずに性行為をすれば、また病気がうつってしまいます。この病気がいったりきたりする状態は、「ピンポン感染」と名前がつくほど、よく起こることなんです(笑)。そんなピンポン感染を避けるためにも、やっぱり相手には言いましょう。そして検査に行ってもらいましょう。あなたの健康と、相手の健康を考えたら、その選択がベターです。
病気のあなたを気遣って、「よく言ってくれた、ありがとう、ぼくもちゃんと検査に行くよ!」なんて言ってくれる相手だったらいいですが、ほとんどの場合は、「いったい誰からうつったの?」ということが問題になるかと。そんな時はどうする!?
この問題に「大正解!」って答えはないけど、風俗で働いていることを言えない場合の『病気の言い訳パターン』を考えてみたよ!
これは、自分が感染したのがクラミジアや淋病など、かかっても症状に気がつかない病気で、かつ、今の相手がつきあってそんなに長くない関係だったらできる言い訳です。・・・風俗で働いていることは絶対言えない、相手の人以外と性行為があるなんて言ったら、大修羅場に発展しそうな場合に。
性行為のほか、便座やスーパー銭湯、公衆浴場でうつることもあるトリコモナス。この病気に限っては、この感染経路を主張できます。 (でも、クラミジアや淋菌などは性行為以外でうつらないから、この言い訳はNG。)
「風俗で働いていること」よりは、「誰かとうっかりしちゃった告白」の方が、相手を傷つけないと想定される場合のみ通用するパターンです。その見極めはむつかしそう…けど、まだそちらの方が傷が浅いと判断できる場合に。
風俗で働いていることを秘密にしているのがもう無理!って場合に。
大修羅場に発展したり、関係が変わってしまうこともある、ものすごい決断(汗)。 この後どうなるかは本当にわかりませんが、お互いのことをより理解する出来事になることを祈り…
が! 世間一般の尺度ではもってのほかとされそうなこのぶっちゃけ告白後も、相手と良い関係を保っている女のコたちが意外と多いよ★
なんとか大告白を終えて、相手が検査に行ってくれたあなた、タイヘンだった!よくがんばった!
相手が検査を受けて、うつっていなければほっと一安心、もし、うつっていたら、二人で治療しましょう。治療中は、セーファーだと思える行為のみをするか、性行為を控えましょう。 (見落としがちなフェラチオも要注意!コンドーム必須です。)
普段から、個人的な相手との行為でも、なるべくセーファーな行為で。
例えば、「お仕事だと本番でコンドームをちゃんとつけるけど、恋人とのセックスではコンドームをつけない」って話はよくききます。お仕事してたら、どんなに気をつけていても、病気になることはあります。相手に病気をうつす可能性をさげるために、プライベートの挿入行為でもコンドームを使いましょう。
また、自分がかかっても、すぐに気がつけば、相手にうつす可能性はさげられます。そのために、定期的に検査を受けましょう。どんな検査を受けたらいいかは、このQ&Aを参考にね!
こんな時にはつい、「病気になってしまった…相手にうつしちゃった…」と、暗い気持ちになったり、自分を責めたりしがち。自分の仕事の中での行為をふりかえったり、今後かからないような工夫や、定期的に検査を受けることは大切ですが、必要以上にに落ち込んでしまうことはないよ。前向きに治療していこう!
相手に自分の病気のことを言うのも、あくまで、あなたと相手の健康、そして二人の関係が大事だから。
★定期的な検査が大事!
病気の検査、何をどのくらいの頻度で受けたらいいの?
コンスタントに働いている場合、かかっていてもなかなか症状に気がつかない以下の病気の検査を、月に一度を目安に受けるのが理想です。
・ノドにかかるクラミジア
・ノドにかかる淋病
・性器にかかるクラミジア
・性器にかかる淋病
・HIV/エイズ
・梅毒
・B型肝炎
職種や、普段自分がしているプレイ、どのくらい働いているかによって、検査の内容や、頻度は多少違ってきます。検査を受けるお医者さんに相談したり、以下を参考にして、自分が受けたほうがいい定期検査メニューを組み立てよう!
★ヘルスなど、生でのフェラチオ、口内発射などの行為が多い職種
【特におすすめの検査】
「ノドのクラミジア」「ノドの淋病」「クラミジア」「淋病」
※精液を口で受ける、口内発射のサービスは、「クラミジア」「淋病」がノドに感染するリスクが高く、この2つのノドの検査はぜひいれたい!
※気になるときは、時々「HIV/エイズ」や「梅毒」の検査を加えても!
★ソープランドなど、生でのフェラチオ、口内発射、コンドームありの本番がある職種
【特におすすめの検査】
「クラミジア」「淋病」「HIV/エイズ」「梅毒」「B型肝炎」
※ ソープなど本番系の職種でも、口内発射のサービスをよくしているな、と思ったら、上の病気にくわえ「ノドのクラミジア」「ノドの淋病」も受けよう。
定期的な検査のほか、気になる症状があったら、お医者さんにいこう。働きながら自分のからだを守るには、病気にかかっていたら検査で早めに気がついて早めに治療!が大事です。
しばらく検査にいってないなーと思ったら、ぜひ!
★病気のもとを洗い流す!うがい
より効果的なうがいの方法ってありますか?
うがいは、病原体を洗い流すのに有効な手段です。
しっかりと洗い流すには、以下の手順で行います。
1) まずは口の中をぶくぶくうがい。口にいる雑菌をノドに届けないために、口内を洗い流し、一旦はき出します。
2) 次はノドを洗い流します。15~20秒ほど、ノドのがらがらうがいをし、はき出します。
3) 3回目、さらに15~20秒ほど、ノドのガラガラうがいで、だめ押しします
うがいは、殺菌より洗い流すことが重要な目的です。うがい薬がなくても、しっかりうがいをすれば、水でも効果があります。プレイルームに常備されていることが多いイソジンなどのうがい薬ですが、何度も使うと、かえってノドの粘膜を痛めてしまうこともあるので、お仕事で何度もうがいをするのであれば、水でうがいをする方がいいのかもしれません。