HOME > 風俗嬢コラム Worker's Live!! > 仕事中のキャラクター設定 ~売り専の日常~
仕事中のキャラクター設定 ~売り専の日常~ |
---|
こんにちは、綾瀬麗次です。
みなさん、いかがお過ごしですか? 忙しいですか?
ウチの店はあたたかくなってもあんまり忙しくなりません…大丈夫かなぁ?
今回のテーマは、「仕事中のキャラクター設定」にしてみました。
この綾瀬麗次というのは、店での名前、いわゆる源氏名ではありません。
僕の場合、この綾瀬麗次とお客さんに接している時のキャラクターはかなり違います。
(同僚にはどちらかというと綾瀬麗次ですね)
今回はその違いや、違う理由について書いてみようと思います。
前回、「どちらかというと自宅待機は苦手です」というようなことを書きましたが、
それも、仕事用の(お客さんに接する時の)キャラクターにすぐになれないことがひとつの理由です。
綾瀬麗次のままで売れっ子になれたらいいのですが、そうはいかないようで…。
お客さんは、「性病に詳しい」「男性に厳しい」「プロ意識がある」スタッフは苦手みたいですね。
というわけで、「性病とか考えてなさそう」「オトコに甘い(優しい)」「素人みたいな」。
つまり、売れそうなキャラクターにしています、
というほど実は割り切れていなくて、綾瀬麗次とその間で揺れながら、妥協点を探して設定しています。
素の自分に、優しさ(甘さ)、素人っぽさ、男らしさ、エロさ、ノンケ(ヘテロセクシュアル)っぽさ、
などを「これならなんとか妥協できるかな」「そのキャラクターの自分を嫌いにならずにすむかな」程度ふりかけて、
作っている感じですかね、たぶん。
売り専は、お客さんもスタッフも男性なので、なかでも「男らしさ」は
ゴシック体にして色を変えてもいいぐらい重要かもしれません
だって、考えれば考える(自分である)ほど、売れなくなっちゃうんですよ。
なんとか設定できたら、あとは「そのキャラクターを演じるのも仕事」モードで頑張ります。
綾瀬麗次では納得できない話にもうなずいて、
時には自分のことを「オレ」と言って、
内容にケチをつけたいビデオを見ても興奮しているように見せて、
一度もしたことない体験談を話して、
心の中では「案外演技できてる」「これってちゃんと仕事してるってことじゃない?」とか思いながら。
直接その仕事用のキャラクターをほめられるのも嬉しいし、リピートの指名がきたりも嬉しいですしね。
頑張った仕事を評価してもらえたらやっぱり嬉しいですよね。
長い期間指名してくれている常連さんだと、ほんの少しずつ綾瀬麗次に近づけたりもします。
僕の場合は、こうやってキャラクターを分けたほうが自分にとって楽なんです。
なんとか売り上げをあげられて、お客さんや店に受け入れられている自分と、
その分、綾瀬麗次に戻ったら、仕事や店やお客さんに冷静になれる自分を、
どちらも好きでいられるから。
こうやって、「なぜ本来の自分のままではお客さんに受けないのか」
「なぜ納得できないキャラクターの方が売れるのか」
ということも考え続けていられます。
そしてそのずっと考えている疑問こそが、「フーゾクギョーカイ」にたいしての長年の疑問です。
(やっとこのコラムっぽくなりましたね)
だからお客さんのみなさん、
あなたが自由にできている、金で買えていると思っているのは、
僕自身、綾瀬麗次じゃないんですよ、店での仕事用の僕ですよ。
2時間経ったら、朝が来たらいなくなる幻の僕ですよ。
そして、仕事を始めたばかりの過去の僕、
あなたが自分で自分を責める必要はないんだよ。
ちなみに僕の場合、キャラクターにふりかけるものの参考になるのはビデオいわゆるAVです。
僕の演じるキャラクターの場合、ゲイ向けだけでなく、女性も男性も出ているものも非常に参考になります。
なぜかというと、お客さんはたいていどちらも見ているからです。
言葉責めも、体の見せ方も、プロの仕事として参考にさせてもらっています。
キャラクターで接している僕にとって、「恋人のように抱いて」は最も難しい要求のひとつですが、
お客さんの見ているビデオを聞くとなんとなくでも演じることができます。
ゲイビデオは、会社によってかなり雰囲気が違うので、メーカー名でも聞きだそうとしています。
信頼してる人にこのキャラクターを見せるのはちょっと恥ずかしいので、
残念ながら、お見せできないと思いますし、もし見かけたら、見ないふりをしてくださいね。