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「例の件に思うこと」~売り専の日常 |
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こんにちは、綾瀬です。
みなさん、12月が忙しくなるといいですね。
忙しい時には、体調管理も大切ですよ!
さて、今回の原稿は今年2015年の夏に世間を騒がせた、とある有名人の「買春」についてです。
当時は、僕の周りでもかなり話題になりました。
ただ、話題にした人の感想や印象はふたつに分かれていたように思います。
セックスワークの経験がない人たちの場合は、
「お客さんの秘密をバラすなんて!」
要約するとこんな感じでした。
その気持ちは確かに分かります。
ただ、セックスワークの経験がある人たちの場合は、
「あの有名人、お客さんとしてひどくない?」
という感じでしたし、僕も要約すると近いものです。
後に書きますが、情報源が週刊誌ではあるけれど、同業者として告白した彼を信じたいです。
そして、彼の告白が真実だとして、話を進めていきますね。
もちろん、彼の主張や仕事ぶりには、僕と違うところもたくさんありましたけどね。
ちなみに、以下の引用部分は「週刊文春」の9月3日号と9月10日号からのものです。
告白した二人はAさんとBさんとして表記をまとめました。
では、一部省略して引用します。
Aさん
「そこから歩いてすぐのラブホテルに直行しました。(要求されたのは)生でした。一時間くらいで二万円。中出しまでされたんで。一回許しちゃうとダメなんですよね。コンドームを使ったことは一度もないし、持っているのを見たこともないし」
「僕の体調がよくなくて、セックスを断ることもあったのですが、それで責められることもありました。
LINEでは、
〈だって、ご飯おごって、40,000円あげて、家まで送ってセックス無しだよ。
俺は何なのって思うよ、正直。〉」
「LINEで〈じゃあ、俺の言うこと全て言いなりになるなら振り込む〉〈奴隷だよ〉と言われ、三万円の振込がありました」
「彼は売り専ボーイを完全否定していました。彼も男を買っているんだし。でも、彼は頭ごなしに否定して、理解しようという気持ちもなかった」
Bさん
「セックスは人が嫌がることしかやらない。会ってすぐわかるんですけど、お金を出してんだからっていう態度なんですよね。何も言わないで出したりする。(最中に)首を絞められたこともあります。セックスに関しては要求が多かったですね」
引用は以上です。
週刊文春では、有名人は実名でしたが、ここでは伏せました。
かえって気になるかもしれないですが、これでもこの有名人の買春ぶりは伝わると思います。
もちろん、一部の引用なので、印象がより悪くなる可能性が高いかもしれないですが、みなさんはどう思います(思いました)か?
僕は、「やっぱりこの人はお客さんとして最低だ」と思ってしまいます。
生で中出ししたり、
セックスワーカーを否定したり、
嫌がることをしたり、
お金を出してんだからっていう態度をとったり、
そういうお客さんは多いですけど、だからといって、嫌なものは嫌です。
そして、
〈じゃあ、俺の言うこと全て言いなりになるなら振り込む〉〈奴隷だよ〉
という部分は特に嫌なところです。
嫌な、というかお客さんになって欲しくはないし、それ以前に人間性を疑ってしまいます。
笑顔で接することすら、できないかもしれないです。
僕は、「性的なサービスや行為」をお金と引き換えに売っているのであって、それ以外のものは売りたくないのです。
また、「お金を払えば何でもしていい」という人は、大嫌いです。
セックスワーク以外の場面でも、です。
この有名人は、その後AさんBさんに対して「口止め」のような文章を送ったり、やりとりしていたLINEを退会しました。
もし、情報流出が止められたとしても、この有名人の言動がなかったことになる訳ではありません。
「お客さんの秘密をバラすなんて!」と思う人にも、これらの言動について考えて欲しいです。
これまでも、何人かの有名人の男性ワーカー買春行為が話題になりましたが、いずれの場合も、その言動(の方)に注目してみてください。
そして、「セックスワーカーは、お金を払えば何でもしていい対象ではないし、そもそも『お金を払えば何でもしていい』という考え方は間違っている」ということを、改めて考えて欲しいです。
もちろん、すべてのお客さんがこのような人ばかりではないことを最後に書いておきます。
優しくコミュニケーションをとってくださる方も、けっこういますよ。
では、セックスワーカーの皆さまに素敵で稼げる年末年始が訪れますように……。
そして、読者の方々には、今年一年のお礼を申しあげます。
ありがとうございました。
また、来年お会いしましょう。