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ラスト枠での攻防、どうしてますか? |
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謹んで新年のお喜びを申し上げます。
旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、
誠にありがとうございました。
本年も相変わらず、よろしくお願いいたします。
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
――こんな営業用の文章じゃ、今のわたしの気持ちは表現できません。正直に書くとすると――
嬢仲間の皆さま、ほんとーーーーーーーーーーーにお疲れ様でした!お正月お休みの皆さま、ゆっくり休んでください。お正月もお店に出るよ!という皆さま、バッチリ稼いでください。
さてさて。夏のボーナスシーズン同様「メンドクサ」なお客が増える年末ですが、夏とは違う「メンドクサ」がありますよね。それは深刻な「ラスト枠」問題!
「ラスト枠」ってナニ?という方も多いかもしれません。
通常、風俗店のウェブサイトには嬢それぞれのプレイ受付時間が表記されています。
たとえば<庄司優美花:15:00-22:00>
この場合のラスト枠は22時スタート?これがちょっと違うんです。
終了時間が22時を過ぎるプレイが入ったら、そこがラスト枠になります。
(その辺、お店にもよります。受付終了時間を過ぎていても「あともうちょっとお願い!」なんて言われる場合も少なくないですし)
このラスト枠を狙って入るお客がメンドクサイんです。予約の詰まり具合や部屋の空き具合といったお店側の都合や、お客様のスケジュールの都合などによる「この時間しか入れない」じゃなくて「**ちゃんの最後のお客さんになりたいな☆」ってヤツです。何がメンドクサイって、下心がミエミエだから。
「これでラストなら、後を気にせず感じて乱れてくれないぁ」くらいなら微笑ましいと思えなくもないし、頑張って演技することもできます。ときには既にヘトヘトで、それが吉と出たり凶と出たり。
でもね!「今日っていうか今年、これで終わりでしょ?明日休みでしょ?」
ここから続く言葉の予想がつくとき、心が重くなります。もう、ズシーンと。
「だったらさ、メシでも食わない?」
「ちょっと一緒に飲まない?」
「じゃあさ、家まで送るよ」
ええと、ちょっと待ってくださいな。
いま、この瞬間、ご一緒しているのは、あなたが「店 を 通 じ て」わたしを選んだからで、
つまり、わ た し は お 仕 事 中 なんですけど?仕事が終わったら帰りたいんですけど?
仕事が終わったら源氏名をペリッと剥がしたいんですけど?
お店用のプロフィールを裏切らない「一見クールそう、でも実はエッチな」キャラのわたしとお酒を
飲みたいのなら、お店を通してロングコースを取ってくれなくちゃ。
源氏名のわたしは、有料のプレイをしている間にしか登場しないのですよ。
いうなれば「要課金」!
プレイ後のアフターに誘われたときの返答はいつも同じ。
「ありがとう、すっごくうれしい…でも、ごめんね、事務所に帰って清算しないといけないの」
嬉しそうかつ残念そうに答えるのがmy定番です。たとえ後日清算や振込でOKだとしても!
「あ、そうだよね、清算しなくちゃいけないよね」
「うん。お金のことだから……事務所の人も気にするし」
「そっかあ」
「自分のじゃないお金、持ってるのも不安だし」
「バックレちゃう子とかいないの?」
話がそっちに転がり始めたら、もうこっちのペース。
「えー、聞いたことはないけど…いないってことないよねえきっと」
「コワイ人とか出てきたりして?」
そんな話をしてるうちに時間は経ち、
時間終了を告げるコールが入って、お仕事の時間はほぼ終了。あとは笑顔でお別れするだけ。
「今日はどうもありがとう、またね」
ニッコリ笑って、小さく手を振って部屋の外に出る。
今日も、今年も、きちんと時間通りにドアから出られた。
プレイ料金も頂いた。
ケガしてない。ケガさせてもいない。
2時間前と同じ廊下を歩き、同じエレベーターに乗って、
スタッフに報告を入れ、清算を済ませて、
それでやっとお仕事終了。
今日も、そして今年も無事に終わった。明日からは当分休み。連休直前の解放感は、どんな職に就いていたときも変わらない。けれど「当分の間は”命の心配”をしなくてもいいんだ」という安心と気楽さを感じるようになったのは風俗嬢になってから。仕事中は、いつも心の隅で「身の安全」を気にしているのです。いつも、ちょっとだけ。
今年も、皆さまが元気に働けますように。〆のご挨拶は、以前高村なおさん(GHLコラム2012/11/30参照)がお使いになったものをお借りして……
「みなさま、お稼ぎくださいませ!」