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ゲイバーから見たセックスワーク 〜売り専の日常・番外編 |
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みなさん、こんにちは。
僕は、売り専の仕事のほかに、ゲイバーでも働いています。ここでいうゲイバーとは、ニューハーフの方々ではなくて、男性(のゲイ)が働いているバーを指します。ちなみに、お客さんは、ゲイの方だけではなく、性別もセクシュアリティもさまざまな方が来られます。
今回は、ゲイバーの店員という立場から見たセックスワークやセックスワーカーについて書いてみたいと思います。
僕が働いている店に限らず、ゲイバーには、「売り専で働くワーカー」が来店されることが少なくないです。お客さんと2人での場合もあれば、ワーカーどうし、ワーカー1人での場合もあります。
するどい方は気づかれたかも知れません。最近は、自分から明かして来られるワーカーの方が増えていると思います。それも、さりげなく。
僕は、いろんな理由から、ゲイバーで働くときはセックスワーカーであることを明かしていません。そのことについては、いつもモヤモヤしながら考え続けていますが、そんなモヤモヤを飛び越えてしまいそうなくらいに、さりげなくという人が増えていると思います。
最近、SNSで、顔出しをしながらワーカーであることを明かしている人が増えているのと同じ理由なんでしょうか。
今回のタイトルについて、まず思うのはまさにそこなんです。
「みなさん、あっけらかんとしているなぁ…」
ということです。
僕が働いている店では、こちらからあまり職業や属性について聞くことはあまりないので、余計にそう感じるのかもしれません。
ちなみに僕の勝手な考えですが、セックスワーカーは、仕事のことを話せるような店と、お客さんと一緒に行ける(事情もわかってくれている)店を知っていると、何かの時に助かると思いますよ。バーじゃなくても。前もって事情を説明しておいてもらえると、店としても対応しやすいですし。
話を戻すと、みなさん実にあっけらかんと、自分のことを話してくれますね。店名や源氏名だけでなく、いろんなことを、キラキラした表情や瞳で。
ゲイバーに来られる(他の)お客さん達がセックスワーカーについて抱く感情は、実にさまざまです。そのため、時には嫌な言葉を聞かされることもあるようですが、そのあっけらかんぶりは、僕を嬉しくさせてくれることが多いです。
そして、セックスワーカーどうしでの来店で感じるのは、「仲良しだなぁ、仲間っていいなぁ」ということです。
セックスワーカーどうしというより、仲がよい友だちどうしの来店といった感じなんですね。お互いに源氏名じゃなく呼び合ったりしていたり。
「仲良しなんですね。友だち長いんですか?」
「最近ですよ。同じ売り専で働いてるんですよ」
もちろん僕にも、同じ店で出会った素敵な仲間がいます。これは声を大にして言いたいです。
そういう素敵な仲間が他にも、あちこちにいることがとても嬉しいのです。
この原稿を書いていると、自然と笑顔になるくらいですね。
もうひとつ書くとすれば、そのうち何人かの仕事に対する情熱です。
僕は、「セックスワーカーが開く、セックスワーカーのためのカフェ」のスタッフをしています。そこでは、セックスワーカーだから話せることや、セックスワーカーどうしの信頼関係を実感したりしています。なかなか他業種の人には話せないなぁということもありますね。
ただ、他業種や、セックスワークの経験がなくても、信頼できる人になら話す(話せる)ことも、もちろんあります。
表面上は、未経験他業種である僕に、職業を明かしてくれるだけでなく、仕事の悩みや嬉しかったこと、不安や将来の夢を語ってくれる人もいまして、つい聞くのに力が入ってしまいます。
「ほら、みなさんが思うセックスワーカーのイメージじゃない人もいますよ!」
バーのお客さんの話を自分の言いたいことに使えませんし、何より守秘義務から言えないですけど。
今回は、いつもと視点を変えて書いてみました。視点を変えても、いや変えたからこそ、やっぱりセックスワークについては、素敵な仕事だと思います。
ところで、いわゆる水商売と、セックスワークを兼務している人って、どれくらい存在するんですかね?