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Woker´s Live!!:現役・元風俗嬢がえがく日常、仕事、からだ

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Worker's Liveでは御苑生笙子さんが「Sex Workerが観るSex Work映画」という連載を続けていらっしゃいますが、映画以外のメディアにもセックスワーカー、特に女性セックスワーカー(≒風俗嬢)はしばしば登場します。でも、その扱いについて考えるとズシーンとしんどくなってしまうことがほとんどです。

男性の夢を叶える天使か聖母、
犯罪被害者になっても仕方ない悪女、
不幸な星のもとに生まれた哀れな女、
がめつい守銭奴、
頭が悪くて股の緩いバカ女......

自分の職業について間違った思い込みが広まるのに、訂正を求めることができない――「私は風俗業従事者です/でした」という告白をしなくてはいけないわけですから――という現実はとても歯がゆいですし、偏見に満ちた作品に触れた人たちが、お客として来るのはとにかく辛い。現実と虚構の区別がついていない時点でどうかという話はさておき。

「エッチ過ぎてとうとう風俗嬢になっちゃったんでしょ?恥ずかしい?でもキモチよくなって稼いでるんだからいいじゃないか。さあ何度でもイってごらん?オレの前ではプライベート感覚でさ」

性的な快楽を求めて風俗嬢になったら失望するだけだし、
大金を稼げるような金額の店じゃないし、
そんなこと言うお客相手にイけるわけないし、
プライベート感覚でいいなら今すぐ帰りたい。

その言葉を飲み込んで「ウフフ」と笑うのが仕事なわけですが。
イライラすることに変わりはありません。

ウンザリする作品ばかりだからこそ、たまに「風嬢あるある」という瞬間を切り取ったような描写や、自分がその仲間になっているかのような場面を見つけると嬉しくなります。

ソープ嬢が仕事のあとで同業の友人宅を訪ねるシーン。(ちなみに店を出る前に個室の片づけをしているシーンも「ソープ嬢あるある」かもしれません。ソープ勤務経験がない私には「へえそうなんだ」になってしまうのですが)

「クーラーにあたりすぎたんで、窓をあけているのよ」
なるほど、リビング・ルームの窓が、あけはなってあった。下界には、残暑の熱気がまだ残っているが、五階ともなると、夜風がすずしい。順子はあたしに、ビールをすすめながら、
「きょうは、ひまでさ。クーラーのきいた控え室に、いることが多かったから、すこし調子がわるいの」
「そう。ひまだったの。あたしのところはまあまあだったよ(後略)」
(『ベッド・ディテクティブ』都筑道夫)

この時期に読み返すたび「夏場の(店舗型)風俗嬢あるある」だなあと感じます。
控え室のエアコンに当たり過ぎて疲れたことを同業の友人に愚痴ったり、
その愚痴をそっと流ししつつビールを飲んでダラダラ喋ったり。

そう、友達。自分と同じように風俗をやってる友達。勤めている店や業種は一緒じゃなくても、風俗ならではの辛さも嬉しさも共有できる友達や仲間。「あまりにもウソっぽい」フィクションで描かれている風俗嬢には「友達」がいないのです。友達という言葉が大袈裟だとしたら、なんというか......「セックスやお金ではないもので繋がっている関係」というのでしょうか。

そもそもフィクションで描かれるセックスワーカーって「最底辺の街娼か高級娼婦」ばかりです。ごく普通の、例えば吉原の大衆店(総額4万円弱)や同じような価格帯の派遣型風俗店(プレイ料金+ホテル代で4万円前後)に勤める嬢ではインパクトがなくてつまらないのかもしれませんが。(そういえば「風俗店スタッフ」女性もいません。彼女たちも立派なセックスワーカーです。)

でも、現実にはそのくらいの料金の店に勤めている嬢が一番多いんじゃないでしょうか。そして、指名上位というわけでもなければクビに脅えるほどでもなく、まあまあの中堅どころという嬢が(私もそうです)。仕事を離れれば別に淫乱でもなく、世間知らずでもなく、特に不幸な生まれというわけでもなく、ごく普通に「仕事」として風俗をやっている嬢が。

出勤して、与えられた仕事をこなして、帰宅する。気づけば同僚と親しくなり、だんだんと「同業の友達」が増えていく。同僚には話しづらくても、他店勤務の同業者や元同業者なら話せるってこともあります。同じ相手だとしても、同僚じゃなくなってからの方が正直になれることも。

とはいえ、風営法の改正で非店舗型風俗が主流になってからは同業の友人を作る流れも変わってきました。「待機場」「控え室」がある店が減り、自宅やネカフェ、もしくは車中で待機をする店が増えたのです。待機をする場所も仕事の現場もバラバラとなると、同僚だけでなくスタッフと顔を合わせる機会すら極端に減りますし、

「同僚と待ち合わせて飲んで帰る」
「控え室で愚痴を聞いてもらう」
「先輩に相談をする」

なんてこともなくなります。

しかし、同じ頃(1999年前後)からインターネット経由で風俗嬢同士が繋がることが出来るようになりました。全然べつの地方の、全然ちがう業種の嬢が同じ悩みを抱えていたり、親身に相談に乗ってくれたり、思いのほかご近所さんということが判明してお茶しにいったり。そんな嬉しい驚きもあります。

仕事がらみのこと――移籍や出稼ぎの相談、感じの良い婦人科の紹介、必需品が安く買える店の情報、そういう話ばかりしているわけでもないですし、そういう話だけを求めているのでもありません。

「実は、わたし、風俗やってるの」と告白したり、何かを隠したり言い訳したりする必要もなく、ふつうにお喋りできる。それが貴重なんです。

イヤなことがあったとき、誰かに愚痴ることができる、
一緒に怒ってくれる人がいる。
仕事がらみのバカ話に乗ってくれる人がいる。
同じ店の人には言えない話ができる。
それだけのことが、どれだけ心の支えになることか。
ホテルの化粧室で、タクシーの中で、喫茶店の一角で
「ひとりじゃない」と感じられることは何物にも代えがたいのです。

最後にもう1つ、お気に入りのシーンを。
ワケアリのマッサージパーラー(日本でいうと店舗型ヘルスでしょうか)が「解散」することが決まって......。

上に戻ってみると、ミシェルが女の子たちをせかしてドアから出しているところだった。別れの挨拶も、女子学生クラブの女の子たちが夏が終わってさよならをいってるような感じだった。(『ブルー・ベル』アンドリュー・ヴァクス)

特に仲が良かったわけでなくても、毎日のように顔を合わせていた同僚との別れはやっぱり寂しいものです。自分も彼女も風俗を続けるんだろうけど、別の店で別の毎日が続いていく。元気でね、今度お茶しようね、また会おうね、ランチ行こうね......たとえ現実にならない約束だとしても「どこかで元気に生きててね」という気持ちは嘘じゃない。その切なさが表れていて、ほんの数行の描写だというのに忘れられません。

皆さまどうぞご無事に。ご武運を心からお祈りいたします。

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職種
売り専です…お客さんも売る側のスタッフも男性の風俗です
自己紹介
大女優とも呼ばれています。気づいたらもうすぐ40歳。なんとか現役にしがみついています。
好きなものは、コーラ!!
皆さまの中には聞いたことがない仕事かもしれません。いろいろ聞いてくださると嬉しいです!!
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デリヘル嬢。
ここでは経験を元にしたフィクションを書いています。
すきな遊びは接客中にお客さんの目を盗んで白目になること。
苦手な仕事は自動回転ドアのホテル(なんか緊張するから)。
goodnight, sweetie http://goodnightsweetie.net/
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元風俗嬢 シングルマザー
風俗の仕事はだいたい10年ぐらいやりました。今は会社員です。
セックスワーカーとセクシュアルマイノリティー女性が
ちらっとでも登場する映画は観るようにしています。
オススメ映画があったらぜひ教えてください。
あたしはレズビアンだと思われてもいいのよ http://d.hatena.ne.jp/maki-ryu/
セックスワーカー自助グループ「SWEETLY」twitter https://twitter.com/SweetlyCafe
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庄司優美花
非本番系風俗中心に、都内で兼業風俗嬢を続けてます。仕事用のお上品な服装とヘアメイクに身を包みながら、こっそりとヘビメタやパンクを聴いてます。気性は荒いです。箱時代、お客とケンカして泣かせたことがあります。