HOME > 風俗嬢コラム Worker's Live!! > 人格と人柄と技術と時間
人格と人柄と技術と時間 |
---|
こんにちは。
今年は?今年も?花粉症の方には大変な春になっているようですね。
僕は今のところ花粉症ではないようなので、ドラッグストアの店頭のマスクの並び方で、春の訪れを感じました。
僕は現役を引退する前から、いわゆる飲み屋(スナックとバーの間かな)で働いていて、今も続けています。
売り専経験をカミングアウトしていないからか、かえっていろんな話を聞ける時があります。
今回は、そんな中で拾ったおはなしです。
Aさん(現役セックスワーカーで店でもカミングアウトしている)Bさん(非セックスワーカーで接客業をしている)という、常連さんお二人との会話の中で拾いました。
Aさんが、仕事やお客さんのしんどさを話していて、カミングアウトしていないながら共感できる僕が聞いていると、隣のBさんが、
「分かりますわ〜」
「なんで嫌なお客さんって、同じような無茶苦茶なことを言ってくるのかしら〜」
と、盛り上がったのです。
文字だと伝わりにくいと思いますが、Bさんの反応は、心がこもっていない感じではなく、本当に共感しているように聞こえました。
そして、お二人の話が一致というか、最も盛り上がったのが、タイトルにつけたキーワードなのです。
「なんで、こっちの話を聞いてるようで聞いてないの?」
「なんで、自分の話ばかりするの?」
「なんで、そんなに上からというか、偉そうなの?」
「お客さんが人柄がいいと感じるのは、わたしたちが仕事中だからなのに、なんで自分だけが特別に好かれていると勘違いするの?」
など、具体的な話が続いたあと、いや続いたせいなのか、お二人がまとめ!!に入りました
「わたしたちが提供していないものを無理に求めないで欲しい」
「わたしたちは、人格まで売っている訳じゃない」
「わたしたちの技術を無料にするかどうかはお客さんが決められない」
「商品や技術だけじゃなくて、時間も提供していることを分かって欲しい」
という感じでした。
もちろん細かな違いはあるだろうけど、接客中ということを忘れそうなぐらい、共感できる話の流れとまとめでした。
そしてなにより
セックスワーカーと他業種の人とが、仕事の話で分かりあえて盛り上がっているのを見ているのも、とても気持ちよかったです!
僕は、「売り専というのは、接客業のひとつなんじゃないかな?」と考えています。
それは、僕が今までしてきた仕事のほとんどが接客業だからかもしれないです。
「お客さんに接するのやから、接客業なのはあたりまえやないの!」
という人がいると思うのですが、僕が接客業だと思う理由が、お二人の会話の内容やタイトルのキーワードなのです。
商品以外にも売っているものがあるとか、だからといって人格まで売っている訳じゃないとか、などの視点だけでもないのです。
お客さんとの間に心の交流があるとか、他の人との技術の違いをほめてくれるお客さんがいたりとか、お金を払う側にも「ありがとう」を言ってもらえるとか、
そしてそこには、
お金で提供するのは商品や技術であって、すべてを買える訳じゃない
だからこそ、それ以外の満足していることを「ありがとう」で表現してくれるお客さんがいる
そして、それが接客業の喜びのひとつである
そんな、なかなかうまく説明しにくいところも、理由なんです。
だから、接客業の人に共感してもらえると、嬉しいのかもしれません。
売り専以外のセックスワーカーの人はどうなんでしょう?
直接お客さんに接する機会が少ないセックスワーカーの人はどうなんでしょう?
そして、接客業以外の人はどうなんでしょう?
いろいろ考えることはありますが、僕の感じた嬉しさや喜びを理解してもらえると、ここに書いた甲斐がありますね。
ちなみに、僕が売り専以外にしていた接客業には、
レストランのウェイター
コンビニの店員
ピーナッツと煎餅売り
子ども服と婦人服屋の店員
などです
あと、今も続けている飲み屋ですかね。
同業者の方で僕を知っている方は、いろいろ聞いてみてください。
他業種のセックスワーカーの方々とも話したいですね!
そして、いろんな仕事をしている(してきた)方々と、いろんな職種のセックスワーカーとが共感し合えたり、話ができたらいいですよね!
売り専を含めたセックスワークが仕事であるからこそ、いろんな仕事とのいろんな人との共感や心の交流があるはずだと、僕は信じています。