「働く現場」 にいると、「病気は予防したいけど、どうするの?」 疑問や悩みが出てくるもの。
ベテランお姉さんのラビがお答えするよ!
★ワクチンで予防できる性感染症!?
B型肝炎の予防ワクチンがあるとききました。どんなものですか?
★B型肝炎
B型肝炎は、血液や体液を介して伝染るウィルス性の肝炎です。
詳しくはSTDデータベースのB型肝炎へ!
B型肝炎の感染を防ぐために抗体を作るには、最低3回のワクチン接種が必要です。
3回の接種が終わった後で、抗体が出来ているか確認して、抗体ができていなければ再度、ワクチンを打ちます。
費用は、検査と診療代を含めて3万円前後から。
その後は、数年おきに抗体の数を調べて、ある程度数値が下がると効果がなくなるので、再度摂取するかどうかの選択をすることになります。
B型肝炎ウィルスを持っている人は、120万人〜150万人(日本人の約100人に1人)といわれています。こんなに多くの人が持っているのにもかかわらず、80〜90%の人が発症しないためか、B型肝炎という病気のこと、ワクチンのことは、誰もがしっているわけではありません。
また、知っていたとしても、自分がB型肝炎のキャリアかどうかを調べて、ワクチン摂取の選択するのもかなりハードルが高いことです。
仕事で体液や血液に触れることがある医師や看護師さんには、B型肝炎のワクチン接種が推奨されています。
しかし、感染力が強いB型肝炎ウィルスが生のフェラチオや挿入行為など、性行為でうつることはあまり知られておらず、医療者以外の人にはワクチンの情報はいきわたっていません。
精液や先ばしり液に触れる可能性がある風俗で働く人も、B型肝炎ウィルス感染のリスクは高いと考えられます。
生本番など、リスクのある行為をしていなくても、生フェラチオや口内発射等の風俗店で行われているサービスでうつる可能性はあります。
風俗で働く人、そして風俗産業を利用する人、また、それ以外の性行為をするすべての人に、B型肝炎という病気の情報は必要よ。ワクチン接種も、より多くの人が選択しやすくなるように、環境が整うことを切に願うわよ!!!!
★ようやく?対策が始まった!?
フェラチオやクンニリングスでうつる性感染症について、国や自治体で何か対策はしていないのですか?
お仕事し始めたらすんごく気になる、フェラチオやクンニリングスなど、いわゆるオーラルセックスでうつる病気。
正直、これまでは、あまり目立ったキャンペーンなどは行われて来なかったのですが、昨年の年末に、ようやく厚生労働省が広報に動き始めました!!
厚生労働省「オーラルセックス(口腔性交)による性感染症に関するQ&A」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda.html
お客さんから、そしてもしかしたら、お店の関係者さんからも、「フェラチオでは病気はうつらないよ!」などといわれること、多いよね。それは、口を使った性行為でもうつる病気があるという知識を得る機会があまりないから。むしろ、多くの人が、口での行為ではうつらないという間違った知識を信じてるよね…。
これからもこういった宣伝がずっと続いて、風俗を利用する人たちにもこの情報が届いて「フェラでも病気はうつるから、安全に遊ぼう!」ってなればいいんだけれど…。めっちゃ切実だよね★
★定期検査以外に行くときってどんな時?
HIV検査を受けた方がいい時って、どんな時ですか?
風俗でお仕事している間は、症状が感じられなくても、「クラミジア」「喉にかかるクラミジア」「淋病」「喉にかかる淋病」「B型肝炎」「梅毒」「HIV/エイズ」の検査を定期的に受けるのを習慣にすると、万が一かかっていたりしても、治療を早く始められます。最近検査を受けていないなーという人はぜひ★
また、以下の場合にも、念のため、HIV検査を受けるのをオススメするよ!
●リスクが高い行為(コンドームなしでのアナルセックスや本番行為)をした
↑ただし、心配な行為があってから、1〜2ヶ月たってから検査をうけましょう。
●HIV以外の性感染症(クラミジア、淋病、B型肝炎、梅毒、性器ヘルペス、口唇ヘルペスなど)にかかった
↑炎症が起きていると、HIV感染のリスクは高くなります
●ヘルペスの症状がいつもよりも激しい
↑HIVに感染していると、ヘルペスの症状が強くでる場合があります
●なんらかの炎症や病気が長引く
HIVの詳しい情報を知りたい場合はSTD研究所のHIV感染症/エイズのページを見てね★
★STDデータベースHIV感染症/エイズ
★HIV/エイズ検査を悩んでいる方へ
12月中は、特設ページもあるよ!
★だいたいの目安を知っておこう!
HIVウィルスって、どのくらいうつりやすいの?
働いていたら、特に気をつけなければならないHIV予防。
HIVウィルスは、血液や精液、先走り液、愛液などの体液に含まれますが。特に気をつけたいのは、血液と自分の粘膜(口内や膣内、肛門内)、傷口などへの接触です。
「どんな行為をしたら、どのくらい感染の確率があるのか」は気になるところよね。
以下の表がリスクの割合です。
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□コンドームを使用しなかった場合のHIV感染推定確率
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輸血 90%
静脈注射ドラッグ使用時の針の共有 0.67%
アナルセックス(受け入れ側) 0.5%
膣を使ったセックス(女性側) 0.1%
フェラチオ(受け入れ側) 0.01%
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※参照:HIV検査相談マップ「HIV・エイズって何?」より
ただし!リスクの割合が低いといっても、かからないとはかぎりません。
例えば、アナルセックスが0.5%だからといっても、一度の行為で感染することもあるわ。
この割合はあくまで目安で、現実には、いつ自分が感染するかを予測することはできないので注意!
もし、リスクの高い行為をしたなら、ちゃんとHIV検査にいこう!
HIVの詳しい情報を知りたい場合はSTD研究所のHIV感染症/エイズのページを見てね!
★STDデータベースHIV感染症/エイズ
★HIV/エイズ検査を悩んでいる方へ
12月中は、特設ページもあるよ!
★ネットで知るHIVエイズ情報
HIVのことをもっと詳しく知りたいけれど、ネットで検索しても、わかりやすいサイトがなかなか見つかりません。よいサイトはないですか。
私もよく検索するんだけれど、ネットひろしといえど、見やすくて、わかりやすい言葉で説明してあるHIV/エイズのサイトはあんまりないんだよね…。
そんな中で、ガールズヘルスラボのHIVエイズのページはイチオシです!まだ見たことない人は、ぜひ★
そして、とってもお世話になっているSTD研究所のページもとっても充実しているのでのぞいてみて!
★STDデータベースHIV感染症/エイズ
★HIV/エイズ検査を悩んでいる方へ
12月中は、特設ページもあるよ!
★最近のHIV/エイズ動向
このごろあまりエイズのニュースを聞かなくなりました。かかる人は少なくなっているのですか?
去年(平成23年/2011年)のデータを見てみると…
★新規HIV感染者(ウィルスに感染しているが、発症はしていない人)は 1,056 件【昨年より減少、過去4位】
★新規AIDS患者(HIVウィルスがふえて、症状が出ている人)は 473 件【過去最多】
★合計は 1,529 件 【昨年より減少し、過去 3 位。(一日あたり約 4.2 件の新規報告)】
となっています。
保健所で検査を受けている人は、2008年をピークに少し減少傾向。もしかしたら、検査を受ける人が全体的に減っている可能性もあり、新たにHIVにかかっている人の数を正確に表しているかどうかははっきりとわかりません。
HIVエイズ関連の話題を聞くのが少なくなっていたとしても、それは必ずしも、HIVにかかりにくいセーファーな性行動をとる人が増えて、HIV感染のリスクが減っているってことじゃないと思うわ。つまり、状況がとてもよくなってるってことではなさそう。
感染者が減っていても増えていても、お仕事&プライベートの性行為で、少しでも感染の確率が減らすためには、ひとつひとつのプレイで気をつけたり、検査を定期的に受けることしかないよ!
12月1日はエイズデー。
最近HIV検査にいってないなーって人は、この機会にぜひ★
エイズデーの前後に行われる日本各地で行われるHIVエイズイベントでは、検査や相談をできるところがあったり、最近のHIVエイズの詳しい情報を知ることができます。「エイズデー (自分の住んでいる地域)」で検索して、イベント情報をチェックしてみてね★
★もちろん言えたらいいたいもの!
STDにかかってしまいました。このことは、お客さんに伝えるべきでしょうか?
自分の健康と自分につくお客さまの健康を考えるなら、お伝えしてお互い早く治したいですよね。
でも、どのくお客さんからうつったのか、そしてどのお客さんにうつしたかは、はっきりわかりにくいもの…。
お客さんに伝える伝えない、どちらでも、それが自分にとって最善と思えることを選択しましょう。
どちらかという正解はありません。
臨機応変に対処するしかない、苦しい現状です。
また、このことで、
「風俗で働いているのだったら、お客に病気をうつさないよう、体調管理するべきだ」
「病気になったことをいわないのはなんという酷い行いだ」
といった考え方があるなら、それは風俗嬢個人に負荷がかかりすぎること。
どうしたら風俗店全体が、性感染症にかかるサービスではなく、より安全なサービスを提供できるようになるか、考えていきたいところよ。
★性器ヘルペス、何度もくり返されるのなら…
性器ヘルペスの再発を防ぐお薬が出たと聞きました。ぜひ使ってみたいのですが、どんなお薬ですか。
ヘルペスは、一度かかると、抵抗力が弱った時に再発することがあります。
性器ヘルペスを何度も繰り返す場合、一日一回継続して服用する、ヘルペス発症を抑えるお薬が出ています。
「ヘルペス 再発抑制療法」で検索すると、このお薬の発売元のサイトが出てくるので、チェックしてみてね。このサイトから処方される病院も検索できます。
このお薬のメリットとしては、
・ペルペスが再発症しにくくなる
・ヘルペスが発症するのでは、という心配が減らせる
・発症している時以外でも、ヘルペスウィルスを相手に移してしまうことがあるが、それを防止できる
・この治療を行った後は、ヘルペスの再発が少なくなることが多い
などがあります。
ただし、このお薬は誰でも処方されるわけではなく、年に6回以上再発を繰り返す人、という但し書きがあります。
でも、お医者さんの判断で出される場合もあるようなので、ヘルペス再発でつらい思いをしていたら、お医者さんに相談しにいってみよう!
★予防もことわるのもなかなかむつかしい…
クンニリングスでうつる病気はありますか?クンニ好きのお客さんが多いので心配です。
クンニリングスを受けて、STDにかかる可能性はあります。
例えば、相手の口にヘルペスが発症していたり、梅毒の初期症状が出ている場合、自分の性器にうつる可能性が出てきます。
とはいえ、なかなかプレイ中には予防しにくいクンニリングス。
そんな中で気をつけられることは…
・相手の口元をさりげなく観察して、歯ぐきから血が出ていたり、口の外や中にデキモノができていないかチェック。もし、心配だったら、キスやクンニをこれまたさりげなーく避けてプレイしよう。
・プレイの前に相手にうがいをしてもらう。
・痛かったり、粘膜が傷つきやすくなっている時は、クンニリングスのプレイ以外に誘導するように持っていく。
また、ピンクサロンの花びら回転など、お客さんが複数人の接客を受けている場合は、お客さんの口を介してうつることもあります。これもなかなか予防しにくいですが、自分の接客の前に、うがいをしてもらったり、飲み物を飲んでもらったりして、病原体が口に残る可能性を下げよう。
★自分のからだが傷まないよう誘導しながらプレイしたい!!
指入れで病気がうつることはありますか?
指入れが好きなお客さん、たくさんいるよね…。
STD予防、という点からいえば、お客さんの指から、膣の粘膜を通して病気がうつる確率は低そうです。
でも、指入れを受ける時に気をつけたいことはいろいろあります。
・こんな場合はできれば指入れ以外のプレイに誘導したい!
→お客さんの指に傷があったり、血が出ている場合。STDの感染の確率が高まります。
→爪が伸びていたり、尖っていたりして、自分の膣が傷つきそうな時。
→乱暴なさわり方で、我慢できない痛みがあったり、膣が傷つきそうな時。
・お客さんの指はなるべく清潔に!シャワーの時にしっかり洗ったり、おしぼりでふきましょう。
・ピンクサロンなど、一人のお客さんに対して、入れ替わりに接客する職種の場合、お客さんの指を介して、STDがうつることがあります。自分の膣に触れられる前におしぼりでしっかり拭くのはもちろん、定期的なSTD検査を受けよう!
傷などがない限り、直接病気がうつる可能性は低い指入れですが、接客人数が多くなったり、乱暴にさわるお客さんにつくと、心身ともに負担になる行為です。
接客中に、したくない、できないと判断したプレイをかわすのは、とっても大変だけれど、「自分の体が傷つきそうな行為や病気がうつりそうな行為、痛いプレイはしなくてもいい」ってことは忘れず、できる範囲でかわしていこう!